取扱い業務

労務管理事例集

労基法その他労働法関係【その他】

私傷病により休職している従業員が復職を希望しています。主治医の意見は聴いたものの、以前のように業務ができるのか正直分からず対応に苦慮しています。

傷病が治癒し従業員が復職できるかどうかは、使用者側が判断することができますが、その判断には客観性・合理性が求められます。しかし、主治医や産業医等の意見を聴いたもののその判断が客観性に乏しく合理的な理由がない場合には、使用者側の判断に関わらず「治癒した」あるいは「就労可能状態にまで回復した」と限定的に解釈されて、休職事由が消滅し、復職が認められる場合があります。

医師に対しては、その従業員の職場の状況や業務内容を説明した上で、具体的な業務の遂行の可否を確認します。あわせて、治療の内容、今後の見通し、復職させた場合の留意点等も聴取することも重要です。

復職の可否について過去の判例では、職種や業務内容を特定していない労働契約の場合は、必ずしも以前の業務に戻ることだけを使用者は求められているわけではなく、総合的に考慮した結果、他の業務で労務提供が可能であり従業員も申し出ているのであれば基本的には復職を拒否することができないと従業員の復職が認められました。(片山組事件 最高裁 平成10年4月9日)

これに対して、職種や業務内容を特定している労働契約の場合は、原則として以前の業務に復帰できなければ労務提供義務が果たせる状態とはいえず、就労可能と判断された従業員の復職を認めませんでした。(昭和電工事件 千葉地裁 昭和60年5月31日)しかし、特定された職種の業務に応じた労務の提供ができなかったものの、比較的軽度の作業を遂行できる状況になった場合は、復職が認められました。(カントラ事件 大阪高裁 平成14年6月19日)

その従業員の業務の実態を踏まえ、単に復職の申出時に従前の仕事を通常程度なし得るかどうかをだけではなく、配置可能な業務の有無を確認し、その業務を遂行することができるのかを検討することが必要です。また軽作業に従事させることも考慮しなければなりません。これらの対応をした上で客観的かつ合理的に、その従業員の復職の可否を判断することになります。

2019年6月10日 社会保険労務士 杉山定広




更新日:2019.06.06

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