お知らせ
お知らせ

60歳から64歳までの年金調整基準額が47万円に

令和3年3月号の事務所だよりで少しご紹介させていただきましたが、令和4年4月から、在職老齢年金制度(60歳以上で厚生年金保険に加入しながら老齢厚生年金を受給している方に適用されている制度)に大幅な変更が行われます。

 まず1つ目は、60歳から64歳に支給される特別支給の老齢厚生年金を対象とした在職老齢年金制度について年金の支給調整となる基準額が、現行の賃金と年金金額の合計額28万円から47万円に緩和されます。これにより、賃金と年金月額の合計額が28万円から47万円の方については年金額の支給調整が行われなくなるため、停止されていた年金額が受け取れることになります。なお65歳以上の在職老齢年金制度の基準額については変更ありません。

 そして2つ目は、65歳以上の在職中の老齢厚生年金受給者について、今までは退職等により厚生年金被保険者の資格を喪失するまで老齢厚生年金の年金額は改定されませんでした。しかし、今年からは年金額を毎年10月に改定して、それまでに納めた保険料が年金額に反映されるようになるため、受け取れる年金額が毎年増えることになります。

 これまでは、60歳以上で厚生年金保険に加入されている方の中には、受け取れる年金額が減ってしまうからという理由で、勤務時間を削減するなどして賃金額を抑えていた方もいらっしゃいましたが、今年の4月からはそういった心配をすることなく働き続けることが可能になります。人手不足の事業所であれば、経験のある人材を戦力として確保できる時間が増えることになるため朗報であるのと同時に、給与待遇面についても昨年までとは少し違った対応を考慮していくことが必要となります。


厚生労働省HP 年金制度改正法(令和2年法律第40号)

ページトップへ