労務管理事例集

社会保険

健康保険の被扶養者として認定される収入の基準について教えてください。

 次の基準をもとに被扶養者として認定するかどうか判断されますが、一律に判断されるのではなく、生活の実態とかけはなれるなど妥当性を欠く場合は、実情に応じて判断されます。

 年間収入130万円未満(60歳以上または障害者の場合は、年間収入180万円未満)で かつ

 ① 同居の場合

   収入が扶養者(被保険者)の収入の半分未満

 ② 別居の場合 

  収入が扶養者(被保険者)の仕送り額未満

*年間収入とは、過去の収入のことではなく、被扶養者に該当する時点および認定された日以降の年間の見込み収入額のことをいいます。

*被扶養者の収入には、雇用保険の失業等給付、公的年金、健康保険の傷病手当金、出産手当金も含まれます。

*雇用保険の待期期間中においても、収入要件を満たしている場合は被扶養者として認定することができます。ただし基本手当(3,612円以上)の支給が始まったときは、扶養を外さなければなりません。

*収入が被保険者の収入の半分以上であっても、扶養者(被保険者)の年収を上回らないときで、世帯の生計の状況を総合的にみて、扶養者(被保険者)が生計維持の中心的役割を果たしていると認められる場合は、被扶養者と認定される場合があります。

更新日 2022年1月19日

(昭52.4.6保発第9号)

■収入がある者についての被扶養者の認定について

(各道府県知事あて厚生省保険局長・社会保険庁医療保険部長通知)

 健康保険法第一条第二項各号に規定する被扶養者の認定要件のうち「主トシテ其ノ被保険者ニ依リ生計ヲ維持スルモノ」に該当するか否かの判定は、専らその者の収入及び被保険者との関連における生活の実態を勘案して、保険者が行う取扱いとしてきたところであるが、保険者により、場合によっては、その判定に差異が見受けられるという問題も生じているので、今後、左記要領を参考として被扶養者の認定を行われたい。

なお、貴管下健康保険組合に対しては、この取扱要領の周知方につき、ご配意願いたい。

1 被扶養者としての届出に係る者(以下「認定対象者」という。)が被保険者と同一世帯に属している場合

(1) 認定対象者の年間収入が一三〇万円未満(認定対象者が六〇歳以上の者である場合又は概ね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合にあっては一八〇万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入の二分の一未満である場合は、原則として被扶養者に該当するものとすること。

(2) 前記(1)の条件に該当しない場合であっても、当該認定対象者の年間収入が一三〇万円未満(認定対象者が六〇歳以上の者である場合又は概ね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合にあっては一八〇万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入を上廻らない場合には、当該世帯の生計の状況を総合的に勘案して、当該被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められるときは、被扶養者に該当するものとして差し支えないこと。

2 認定対象者が被保険者と同一世帯に属していない場合

 認定対象者の年間収入が、一三〇万円未満(認定対象者が六〇歳以上の者である場合又は概ね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合にあっては一八〇万円未満)であって、かつ、被保険者からの援助に依る収入額より少ない場合には、原則として被扶養者に該当するものとすること。

3 前記1及び2により被扶養者の認定を行うことが実態と著しくかけ離れたものとなり、かつ、社会通念上妥当性を欠くこととなると認められる場合には、その具体的事情に照らし最も妥当と認められる認定を行うものとすること。

4 前記取扱いによる被扶養者の認定は、今後の被扶養者の認定について行うものとすること。

5 被扶養者の認定をめぐって、関係者間に問題が生じている場合には、被保険者又は関係保険者の申し立てにより、被保険者の勤務する事業所の所在地の都道府県保険課長が関係者の意見を聴き適宜必要な指導を行うものとすること。

6 この取扱いは、健康保険法に基づく被扶養者の認定について行うものであるが、この他に船員保険法第一条第三項各号に規定する被扶養者の認定についてもこれに準じて取り扱うものとすること。

更新日:2006年09月08日
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