労務管理事例集

労基法その他労働法

歩合給など出来高払い部分がある給与の割増賃金の計算はどのようにしますか。

 歩合給などの出来高払い給与は、労働基準法第37条第5項及び同法施行規則第21条に規定する法定除外賃金に該当せず、また、「通常の労働時間又は労働日の賃金」に当てはまるため、割増賃金の算定基礎賃金に含めなければなりません。

 1時間当たりの単価計算に際して、基本給等の固定給は所定労働時間数で除するのに対し、歩合給などの出来高払い給与は、労基法施行規則第19条第1項第6号により、総労働時間数で除することになります。

 ■具体的計算例 

(設定) 

 基本給(月給)170,000円

 歩合給    100,000円  

 合計     270,000円

 所定労働時間数170時間 総労働時間数200時間(内残業30時間)

(計算)

  基本給170,000円÷170時間×1.25   =1,250円

 +歩合給100,000円÷200時間×0.25(注)=  125円

                        合 計 =1,375円

 1,375円×30時間=41,250円 


更新日 2021年10月20日

労働基準法第37条第5項

(時間外、休日及び深夜の割増賃金)

 第一項及び前項の割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金は算入しない。

(労働基準法施行規則第21条)

 第二十一条  法第三十七条第五項の規定によって、家族手当及び通勤手当のほか、次に掲げる賃金は、同条第一項及び第四項の割増賃金の基礎となる賃金には算入しない。

一  別居手当

二  子女教育手当 

三  住宅手当

四  臨時に支払われた賃金

五  一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金

(労働基準法施行規則第19条第1項第6号)

 出来高払制その他の請負制によって定められた賃金については、その賃金算定期間(賃金締切日がある場合には、賃金締切期間、以下同じ)において出来高払制その他の請負制によって計算された賃金の総額を当該賃金算定期間における、総労働時間数で除した金額

0.25(注)である理由

(昭23.11.25 基収第3052号)

 出来高払い制その他の請負制によって賃金が定められている場合については、時間外の労働に対する時間当たり賃金、すなわち1.0に該当する部分は、すでに基礎となった賃金総額のなかに含められていますので、加給すべき賃金額は、計算額の2割5分以上であれば足りることになります。

更新日:2006年09月09日
ページトップへ