労務管理事例集

労災保険

労災保険に加入していませんが、労災事故が発生しました。被災した従業員から「労災保険で補償してほしい」と言われています。どうしたらいいですか。

 労災保険は強制保険であり、加入していない事業場で発生した労災であっても、労働基準監督署へ労災保険の給付請求をすることができます。そして、労災と認定されれば保険給を受けることができます。

 ただし、労災保険に未加入中の労災事故について保険給付がされた場合には、国は事業主から次のものを徴収することとされています。

1.2年間分の労働保険料を遡って徴収する。(徴収法第19条)

2.追徴金として、1.の保険料の1割を徴収する。(徴収法第21条)

3.未加入期間中の労災事故についての保険給付額の全部または一部を徴収する。(労災保険法第31条)

 

 上記3.の制度を「未手続事業主に対する費用徴収制度」といいます。

 ポイントは、次のとおりです。

1.労災保険の加入手続について行政機関から指導等を受けていたにもかかわらず、手続を行わない期間中に業務災害や通勤労災が発生した場合。

 事業主が「故意」に手続を行わないものとして認定し、当該災害に関して支給された保険給付額の100%を徴収

 2.労災保険の加入手続について行政機関から指導等を受けていないものの、労災保険の適用事業となったときから1年を経過して、なお手続を行わない期間中に業務災害や通勤災害が発生した場合

 事業主が「重大な過失により手続を行わないものと認定し、当該災害に関して支給された保険給付額の40%」を徴収


更新日:2013年08月09日
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