労務管理事例集

その他労務相談

社内で昼の休憩時間にトイレに行った際に転んで怪我をしてしまいました。この場合は業務災害(労災)となるのでしょうか。

労働者の負傷が業務災害(労災)となるか否かは、事業主の支配下にある(これを「業務遂行性」といいます)状態で、業務が原因となって負傷したものかどうか(これを「業務起因性」といいます)によって判断されます。休憩時間は労働者の自由行動が許されているため、その時間中の個々の行為は私的行為(友人と会うために会社施設から離れたときに発生した事故等)とされ、通常、業務起因性は認められません。しかし、トイレや飲水などの生理的行為については、業務に付随する行為として取り扱われますので、この時に生じた災害は業務起因性があると考えられます。  

 お問い合わせの事例は、会社の施設内での怪我なので業務遂行性が認められ、かつ前段のとおり業務起因性があると考えられるため、業務災害(労災)に該当します。

2020年9月25日 社会保険労務士 堀 良司

 【業務遂行性】

  労働者が労働契約等に基づいて事業主の支配下にある状態をいう

 【業務起因性】

  傷病等が業務に起因して生じたものであるということであり、業務と傷病等の間に一定の因果関係があることをいう

更新日:2020年09月25日
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