労務管理事例集

労基法その他労働法

正社員として労働者を雇用しましたが、業務遂行能力と協調性に不安があるため、試用期間をもって雇用契約を解除したいのですが、可能でしょうか。

 試用期間は有期契約期間とは異なり、期間途中や期間満了時の本採用の拒否は通常の解雇と同義とされます。そのため、本採用を拒否するには通常の解雇と同じく客観的に合理的な理由及び、社会通念上相当とされる理由が必要となります。(労働契約法第十六条)


  一般的に試用期間中の雇用契約の解除は、会社が労働者の能力や適性を判断する「解約権留保付労働契約」の期間であるとして、通常の解雇時より広く認められていますが、雇用を継続することが困難な客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が求められます。

 お問い合わせ頂いたケースの様な「能力や協調性に不安がある」といった内容のみでは、本採用の拒否は権利の濫用とみなされる可能性があります。少なくとも能力や協調性の欠如が客観的に認められるものであり、その欠如に対し、会社から注意指導をし、注意指導を重ねても一向に改善せず、また改善の見込みがない場合に解雇が認められ得ると考えられます。 

 なお、一般社員として採用された者であるのか、特定の地位で地位に応じた能力の発揮を前提に採用された者であるのかで、前段の注意指導の必要性は異なってきます。

2022年12月26日 特定社会保険労務士 杉山定広

【労働契約法】

第十六条 

解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

更新日:2022年12月26日
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