労務管理事例集

労基法その他労働法

健康診断受診を拒む従業員についてどのように対応すればよいのでしょうか。

 労働安全衛生法では事業主に対して健康診断を労働者に対し受けさせなければいけない義務を定めていると同時に、労働者に対しても健康診断を受診する義務を定めています。まずは法的に受診義務があることを従業員にお伝えし、その上で受診を拒む理由を聞いてみてください。単に日時が合わないのであれば、日程調整を行うことで受診可能でしょう。会社が指定した医師での受診を拒んでいる場合は、かかりつけ医がいるのであればかかりつけの受診機関にて健康診断を受診していただき、受診結果を提出してもらうよう指示を出すなど従業員が受診しやすくできるよう配慮を行ってください。それでも正当な理由なく受診を拒むのであれば、就業規則に受診義務があることを定めたうえで、業務命令違反として注意指導書を交付し、それでも改善しない場合は懲戒処分を下して反省を促すことなどが考えられます。


2023年7月24日 社会保険労務士 堀 良司

【労働安全衛生法】 

第六十六条第一項 

 事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断(第六十六条の十第一項に規定する検査を除く。以下この条及び次条において同じ。)を行わなければならない。

第五項

 労働者は、前各項の規定により事業者が行なう健康診断を受けなければならない。ただし、事業者の指定した医師又は歯科医師が行なう健康診断を受けることを希望しない場合において、他の医師又は歯科医師の行なうこれらの規定による健康診断に相当する健康診断を受け、その結果を証明する書面を事業者に提出したときは、この限りでない。

更新日:2023年08月18日
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