社会保険労務士用語集
コース別雇用管理制度(こおすべつこようかんりせいど)
1980年代の半ばから大企業を中心に広まった制度で、職務内容、責任の範囲、転勤の有無等によって、総合職や一般職等のコースを設け、コース別に雇用管理をする制度のこと。
コース形態には、総合職、一般職の他に、準総合職、専門職、現業職、技術職等がありますが、コース形態の定義は企業寄って異なります。
コース別雇用管理制度は、実態として、主に男性が総合職、女性が一般職となることが多く、男女雇用機会均等法に抵触する等、コンプライアンス上問題が少なくありません。転勤の有無で総合職と一般職を分けることは、間接的な男女差別とされることもあります。
また、職務の多様化や複雑化による定型業務・補助業務の減少により、一般職の定義に当てはまらない職務が増え、一般職であっても高度な知識や判断力が求められるなど、総合職と一般職の職務の垣根がなくなりつつあります。
そのため、一部の企業では、総合職、一般職の区分を廃止する動きもみられます。そういった企業では、形骸化した職能資格制度や役職制度の見直しを同時に行い、男女差なく能力や成果に応じた処遇を図り、転勤の有無については、本人の選択により、「全域社員」「地域限定社員」「事業所社員」等の名称で管理するものの、「地域限定社員」や「事業所社員」であっても、能力に応じて幹部への登用を図る制度設計をしています。